戦前に周回航続距離の世界記録を樹立した大型単発単葉機「航研機」の実物大模型製作の模様が15日、福岡県大牟田市の工場で公開された。
機体は全幅28メートル、全長15メートル、重さ約5トン。4年前に資料の所在調査から始め、実物大でアルミの骨組みまで完成させた。工場には10分の1の大きさの模型も展示され、当時「世紀の翼」とたたえられた雄姿をしのばせた。
実物同様、主翼部分の骨組みに綿布を張って塗料を重ね塗りしたり、他の工場で作った部品を組み合わせるなどし、来年2月中旬に完成する予定だ。
航研機は旧東京帝国大学航空研究所の設計で1機だけ造られ、1938年の5月15日、1万1651キロの航続記録を達成した。青森県出身者3人が設計し、製造から飛行まで携わったことから、同県が来年度、三沢市に開館する航空科学館の目玉にと、日本科学技術振興財団(東京)に復元を委託した。
2002/05/15 04:01 【共同通信】